歯科医師 天羽 公夫 Kimio Amo
1946年
(昭和21年) |
|
兵庫県生まれ |
1971年
(昭和46年) |
|
大阪歯科大学卒業
同大学院(小児歯科学専攻)入学 |
1975年
(昭和50年) |
|
大阪歯科大学大学院終了
(小児歯科学専攻) 歯学博士号
取得
同大学小児歯科講座勤務 |
1978年
(昭和53年) |
|
西宮市にて小児歯科専門医として
天羽小児歯科クリニックを開設 現在に至る |
これからの診療方針
昭和46年大阪歯科大学を卒業し大学院に進み小児歯科学を専攻。その後大学病院で、当西宮の地で小児歯科専門医とし38年間子ども達のむし歯の治療、予防、かみ合わせ、歯並びとさまざまなお口の健康に携わってきました。又、日々の診療で子ども達の心の発達まで学びました。むし歯の治療に関して、この年月の経験から学んだことは歯医者での痛い、嫌な思いを子ども達にさせないために当医院に来られる子どもにはむし歯を作らないように、治療をしなくてすむように、今以上にむし歯予防に力を注げば良いのではないかと考えました。
どうすればむし歯にならずにすむか? 考えて見ますと、子どもによってむしに歯になる原因はさまざまです。歯みがきを一生懸命行っているのに新しいむし歯が出来る子、お菓子をそんなに食べていないのに新しいむし歯の出来る子等、大勢の子は再び新しいむし歯ができその治療のために来院されるのです。この事からもむし歯の原因は一つでは無い事が判ると思います。また定期健診を受けられている子ほどむし歯が少ないのも事実です。
むし歯の原因はたくさんあり、その予防法もたくさんある病気です。そのため患児全員に同じむし歯予防方法を指導するのではなく個人個人に合った方法を科学的に考え薦めていく必要があります。これからは当歯科医院小児歯科部門で作成している「あなただけのむし歯予防プログラム」をもとに全員同じでなく個人にあった指導をしていきたいと考えています。
次回にその具体的な診査方法を説明します。
これからの診療方針 2
幼児から成人、強いては高齢者になっても健康な歯、歯ぐき、を保ち快適な
日常生活を!

診査の方法を列記しますと、
- 口腔診査表の作成(dmft指数の算出を含む)
- 口腔の写真撮影
- MS(ミュータンス菌)レベルの測定
- 唾液分泌度(量)の測定 およびその緩衝能の測定
- プラーク量の測定
- 飲食回数について
- 食事内容について(LB ラクトバシルスの測定)
- フッ素塗布、キシリトールの摂取の有無
- 全身疾患の有無
- 臨床的な判断
さまざまな検査、診査を行い。それを基に患児ひとり、ひとりに合ったむし歯予防法を保護者の方、歯科医師、歯科衛生士、保育士を含めて考え、すすめていきたいと思います。
炭酸ガスレーザーを使用した虫歯予防、処置
レーザー治療とは患部にレーザーを照射する治療法です
安全で副作用がなく 子供さんにも安心して使用できます
レーザー治療の特徴
1 免疫効果を高めて傷や炎症を早く治す
2 処置が短時間で終わり患者さんの負担が少ない
3 痛みや不快感が少ない
レーザーとフッ素塗布を併用した虫歯予防(歯科医師 歯科衛生士による方法)
より虫歯になりにくい強い歯に!
虫歯の予防にフッ素塗布が有効ということを知っておられる方は多いと思います
レーザー照射も歯を強くする効果があります。
この2つを同時に取り込むことにより 瞬時にエナメル質の融解と凝固がおこり それによって歯の耐酸性が向上し もっともっと虫歯になりにくい歯になります。
特に6歳臼歯のみぞは、虫歯にすぐなりやすい場所なので、レーザー照射との併用がおすすめです。
※生後10ヵ月からおよそ3年間、定期的にフッ素塗布を行った報告では、乳歯の虫歯抑制率は30%〜70%であったことが報告されています。
レーザーによる上唇小帯の切除
歯肉と唇の間の筋のような歯ぐきを小帯といいます。
前歯の間の逆三角形状の歯ぐきを上唇小帯といいます。
この上唇小帯が太すぎたり歯の近くまである場合 真ん中の歯の間に隙間ができるという正中離開が起こる原因になります。
他にも歯並びの正常な発育を妨げたり また歯周病にも関係する場合があります
メスで切開した場合は術後に縫合しなければなりませんが、レーザーを用いた場合はあまり出血もなく痛みも少ないです。
 |
正中離開 |
あまりに小さい子供さんにこのような手術はせず もう少し大きくなられるのを待って行いますが歯を磨くときにこの上唇小帯に歯ブラシがあたって痛がる場合は例外となります。
なお同じ小帯でも下の裏側にある舌小帯に異常がある場合には できるだけ早い時期にこれを切除する必要があります。
時期を逃すと構音障害・発音障害の原因となります
お母さんのための小児歯科
お子さんが6歳ころに下の前歯がこの写真のように生え、驚いて歯医者に行った事がありませんか?
下の前歯の生えてきた位置。この様に乳歯の後ろに永久歯が生えてきた場合。慌てる事はありません。この写真で説明します!
どうして慌てないか?
下の前歯の永久歯には良くある事なのです。
*の永久歯と乳歯の生えている顎の大きさ(上の写真の←と→の幅)を比べて下さい。永久歯<乳歯の顎の生えている大きさとなります。
この写真の様に下の前歯に限り、永久歯が乳歯の後ろに生え、なおかつ乳歯の生えている顎の大きさより小さい時だけですが少し様子をみていても良いときがありますが、前の乳歯がなかなか抜けようとしない時や後ろに生えてきている永久歯の歯みがきが難しいときなど心配な時はぜひ歯科医院で診ていただいて下さい。
 |
⇒ |
 |
2009年4月20日 撮影 |
|
2009年6月24日 撮影 |
先月のホームページの写真が左側です。その後処置をしないで(前の乳歯を抜かずに様子を見ていた)2ヵ月後の来院時の写真が右側です。前歯の永久歯2本がきれいにならんできていました。このように歯科医師が正しい診断をすれば子どもにとっていやな処置である抜歯をしなくても良い場合があります。
それではこの写真を見てください。今月のテーマです。

写真の噛み合わせを見てください。後ろの方の歯は上下が噛んでます、前歯はどうでしょうか?噛み合っていません!お肉を食べるときどの歯で噛み切るのでしょうか?
次回に、なぜこの写真のような噛み合わせに成るのか、どうすれば前歯も正しい噛み合わせに成るのか解決方法を考えて見ましょう。
おしゃぶりの利点欠点について

この写真から私が何を伝えたいと感じましたか?
今回は 「おしゃぶり」、「指吸い」についてお話したいと思います。
下記の文章は私が兵庫県の小児保健協会が発行している冊子に掲載したものです。
「おしゃぶり」、「指吸い」について
「おしゃぶり」の効用の一つとして、最近米国の研究発表で次のような記事がありました。それはSIDS(乳幼児突然死症候群)の予防に「おしゃぶり」が有効であるとの報告であります。しかしこの報告はSIDS発症の危険因子と関連づけての発表であります。例えば腹臥位また側臥位で眠っていた乳幼児のSIDSリスクは以前より高いとの報告がありますが、今回の発表では「おしゃぶり」使用でそのリスクの上昇が見られなかった。
又、喫煙者の母親の添い寝も「おしゃぶり」を使わない乳幼児のSIDSリスクを上昇させたが、「おしゃぶり」使用者には有意なリスク上昇が認められなかったとの報告であります。これが2005年に記事としてインターネット、新聞にも掲載されました。インターネット記事だけを見ると「睡眠環境」に触れていないので一般的には全てのSIDSに画期的な効果があるように理解されそうな危惧を抱きます。小児保健に関わっている人達はこの記事について、又「おしゃぶり」について正しく理解し一般の人達に伝えたいものです。
これより少し前に日本の小児科学会は、小児科医と小児歯科医で構成される保健検討委員会の発表として2005年に一般的な『「おしゃぶり」使用の望ましいありかた』について以下の項目に分け、説明を加え日本小児科学会雑誌に掲載しています。
1)「おしゃぶり」や指しゃぶりが咬合(噛み合わせ)に及ぼす影響について。2)「おしゃぶり」や指しゃぶりは何歳頃まで行なわれているか。3)「おしゃぶり」の使用年齢と噛み合せについて。4)「おしゃぶり」の利点と欠点。5)「おしゃぶり」使用の考え方。以上の5項目であります。
「おしゃぶり」の使用の開始時期は浅里らによると8割以上は生後8ヶ月までには使い始めておりその中でも生後4ヶ月までに開始した者が最も多く、やめた時期は1歳6ヶ月児では生後6ヶ月頃、3歳児では生後12ヶ月頃に使い終えた者が最も多かった。又、使用期間は1歳6ヶ月児では0〜6ヶ月間が最も多く約50%、3歳児では7〜12ヶ月間が約30%であったとの報告であります。
「おしゃぶり」使用の咬合(噛み合わせ)への影響に関して2歳児では「おしゃぶり」群で開咬が高頻度にみられ、3歳児ではその傾向が増大したと米津は乳幼児健診の調査結果から報告しています。
詳細に見ると(表は2、3歳児の吸てつ行動と咬合状態との関連性を表すデーターです。)862名の3歳児で何らかの吸てつ行動をとっている児が211名(約24%)、そのうち吸指児が189名(約90%)、「おしゃぶり」が9名(約4%)であったとの報告です。さかのぼって2歳児では吸てつ行動をとっている児は689名中267名(約39%)と3歳児の約1.6倍ありそのうち吸指児が176名(約66%)「おしゃぶり」が46名(約17%)です。あと2歳児では母乳継続、ほ乳瓶の使用が45名(17%)あります。以上の数値から「おしゃぶり」だけを見るとその継続者は3歳児で全健診者の1%にすぎません。しかし問題は咬合異常状態との関連です。
2歳児で「おしゃぶり」をしている児46名中開咬状態が29名(約63%)。3歳児で「おしゃぶり」継続者が9名で、その内開咬児が7名と77%にも成ります。しかし2歳頃に「おしゃぶり」を止めると開咬が減少する事実も見逃せません。この数字を我々はどのように解釈し、小児保健にどう役立てるかです。以上が咬合に限っての見解です。
咬合以外の問題点として、発語やことばを覚える1歳過ぎになったらおしゃぶりのホルダーを外し常時使用しないようにするのが良いとされています。それは習慣性となりやすく長期使用すると先ほどのように噛み合せが悪くなる傾向が強くなるうえ発語の機会が減りその発達にも影響するからです。又、子供がどうして泣いているかを考えないで使用してしまう。ことば掛が減る、ふれあいが減る。など挙げられています。愛着形成が阻害されるという意見もありますがこの事には学問的な根拠はないとされています。しかし「おしゃぶり」には利点もあります。精神的安定、簡単に泣きやむ,入眠がスムーズ、母親の子育てのストレスが減る等です。「おしゃぶり」の宣伝に利用されている「鼻呼吸や舌、顎の発達を促進する。」は現時点では学問的に検証されていないと小児科学雑誌に明記されています。
我々小児保健に携わるものは『子育ての手抜きとしての利便性だけで「おしゃぶり」を使用する事がないよう』そして様々なリスクを知らしめたうえで保護者にその使用の決定を委ねたいものです。そのためにもそれぞれの専門分野の正しい知識、情報でもって子育て支援に貢献したいと思います。
上の表で開咬と書かれているのが最初にでていた写真が示している口の状態です。
この写真は開口がなぜ直らないか?を表しております。
開口が起こる大きな原因の最初のひとつが「指吸い」「おしゃぶり」です。次いで、二次的な原因となるのが上記の写真の舌の動きです。舌が食べ物、唾液を飲み込むときに開口になっている上の歯と下の歯の間から見えています。これが舌癖と言われている物です。
参考文献
前川喜平:おしゃぶりについての考え方、日本小児科学会雑誌、109(6):780-781、2005
米津卓郎:子育て支援の観点からおしゃぶりの功罪を考える、
日本歯科評論、63(12):143-155、2003−12
浅里 仁:おしゃぶりについての実態調査 第1報おしゃぶりの使用状況について、
小児歯科雑誌、43(5):652-659 2005
再石灰化

上の写真は歯みがきが上手に出来なくて歯垢が長い間歯に着いていた部分を歯みがきで歯垢を取り除いて診るとこの様に白くなっていました。さて当医院の歯科医師はこの患者さんにどのような処置をするでしょうか?
答えは次の事柄を指導し、処置を行います。
・歯磨きの方法の指導
・食生活の改善(食育)の指導
・フッ化物の定期的な利用(歯科医院、家庭)
・定期的な歯科医院での歯の汚れを取り除く処置
このような努力をする事でむし歯の進行を抑え、強いては再石灰化といって歯の表面をもとの状態に戻そうする働きが生まれるからです。この考えのもとに当医院の歯科医師は白いムシ歯の所を削って詰める処置はしません。先にお話しましたように正しい努力をすれば歯の表面が再石灰化するからです。

ですから歯の表面が再石灰化を促進するような指導、処置を行なっていきます。
大事な歯を削らないですむように!
それが下記の方法であり当医院の方針です。
・歯みがき方法の指導
・食生活改善の指導
・フッ化物の定期的な使用
・歯科医院での定期的な歯の汚れを取る処置 なのです。






※診療の合間を見て、ボランティアで行っていますので、恐れ入りますが、兵庫県と大阪府以外の方のご相談はご遠慮下さい。
|